猫背ってそんなに悪いこと?
背中が丸まっていたら老けて見えるだとか疲れて見えるだとか言われますが。
そんな風に「見た目が悪いね」だけで済む話ではないから厄介なのです。
たかが猫背と侮るなかれ。
仕事の効率も、健康寿命すらもゴリゴリに削ってくることを知っていましたか?
「猫背ってそんなに悪いこと?」と思っているそこのあなた、猫背って体に悪いんです!
ちょっと長いですが、是非このコラムを読んでいってください。
マッサージや整体に行った時「ガチガチですね」「固いですね」以外に、
こんな風に言われた経験があるはずです。
「背中が丸くなってますよ」「肩が内側に入ってます」
「姿勢が悪くなってますね」「猫背になってますよ」
現代人ならこれまで耳にタコができるほど姿勢の悪さを指摘されてきたことでしょう。
確かによく言われるけど、自分に限らずみんな猫背だよね?
気付いたときには背筋を伸ばしてるけど、何も変わらないしなぁ。
昔から姿勢悪いから、もう治らないんじゃない?
そんな風に半ば諦め、半ばやけっぱちになっていませんか?
もう大丈夫!琴似整骨院のコラムに出会ったことで、猫背に勝てる確率がグンと上がりました。
その昔孫氏は言いましたね、「敵を知り己を知らば百戦危うからず」と。
まずは敵である猫背を知り、どんなデメリットがあるか知りましょう。
どんな仕組みで起こり、どう戦えば良いのか。
正しく知ることが解決への大きな一歩になります。
現代は猫背になる原因で溢れている
仕事でパソコンを使う場面が増え、長時間座って作業するようになった
公共機関が発達して長い距離を歩く必要がなくなった
買い物や食事の出前がネットで簡単に行えるようになり、外出の機会が減った
SNSや動画・ゲームが誰でも手軽に楽しめるようになり、スマホ時間が急激に増えた
塾や習い事で自由時間が少ないうえに外遊びできる場が減っていて、子どもの頃から運動量が少ない
一昔前と比べ、運動量が減り、筋力・柔軟性・持久力が大幅に低下したのは言うまでもないでしょう。
指先一つであれこれできるようになったのが便利で嬉しい反面、
運動不足による深刻な健康被害が昨今問題になっています。
猫背はこのように社会問題であり、個人だけの責任ではありません。
猫背になりやすい環境がこんなにも整えられえている現代で生きていれば、
姿勢が悪くなるのは当然の結果ともいえるでしょう。
あなたの心がけが悪かったとか、きちんと気を付けなかったからだとか、そんなことはありません。
猫背って何が悪いの?
猫背とはどういう姿勢なのか、文で書くと長くなるので下の図をご覧ください。
前のめりの姿勢でいることが多いため体の前面の筋肉が縮み、そのまま固くなります。
すると肩や腰の周りの筋肉は常に前側に引っ張られることに。
引っ張られた筋肉は元の位置まで戻ろうと、絶えず力を入れた状態になり、
結果として肩こり首の痛み腰痛が起こります。
「こったな、痛いな」と感じているのをずっと放置して猫背もそのままにしておくと、
背骨の正常なカーブを逸脱した状態が長期間続くことになり、椎間板ヘルニアのリスクも高まります。
前のめりの悪い姿勢で体を動かし続けることで、二次的に離れた部位にも悪影響が出ます。
四十肩やテニス肘、手首の腱鞘炎などの上肢の疾患、股関節や膝の痛みなど下肢の疾患も
猫背があると起こりやすくなります。
それだけではありません。悪影響は内臓の働きにまで及びます。
胸郭が膨らみにくくなることで呼吸が浅くなり、疲労を感じやすくなります。
前かがみの姿勢が続くと胃が圧迫されるため逆流性食道炎のリスクが高まります。
また海外の研究では、背中を丸めた姿勢を長時間続けると
無気力感やストレスを感じやすくなることが明らかになっています。
ただ背中が丸くなっているだけなのに、
首が痛くなり、肩がこり、腰も痛くなり、
呼吸が浅いせいで寝ても疲れが抜けず、
腹部が圧迫されて消化器の調子も悪く、
気分は落ち込みやすくストレスを感じやすい。
まさに百害あって一利なし!それが猫背なのです。
猫背を治したい!まずはどうする?
もしも腰痛や首の痛みなど、既に辛い症状が出ているならば、
まずはそれを治すことが優先です。
なぜなら、体に痛いところや動かせないところがあると、
無意識に庇って変な動きになり、離れた場所にまで悪い影響を及ぼすからです。
ただし、今感じている辛い症状というのは、抱えている問題の一部分に過ぎず、
根底には「姿勢の悪さ」「間違った体の使い方」が隠れていることを、お忘れなく。
なぜ痛いのか?辛いのか?動かないのか?
それは長い年月、悪い姿勢で、間違った動かし方で、生活を続けてきたからです。
この根本原因を放置して、マッサージだけしても解決にはなりません。
悪い姿勢、間違った使い方をする→痛くなる→マッサージして少し楽になる→悪い姿勢、間違った使い方をする→………
延々このいたちごっこを繰り返すことになります。
目標は「痛みがなく、正しく動かせる」状態に体を戻すこと。
その場で体が軽くなったからはい終わり、ではなくて
良い状態を保ちながら生活が続けられるように。
手技療法で「痛みをとる」「動かないところを動くようにする」
運動療法で「正しく動かす練習をする」
の両方を行うことが必要です。
ですから、その人の症状をみながら、この二つを上手に組み合わせて治療していきます。
【結論】
痛いところがあるなら、その治療が優先!
手技だけでなく運動療法も組み合わせて、正しく体を動かせるように矯正する。
日常生活でどう気を付けたらいいの?
「あ、背中丸いかも!」と気付いた時に、一瞬背すじを反らすだけでは猫背は治りません。
体を丸める胸やお腹の筋肉と、体を反らす背中の筋肉では、圧倒的に体を丸める筋肉が強いからです。
体の前側の筋肉が縮んで固くなった状態で、体の後ろ側の筋肉に力を入れて反らそうとしても、維持できません。
背中の筋肉が疲れるだけで、効果もあまり期待できないので、背すじ反らしは中止にしましょう。
大切なのは、縮んで固くなった筋肉を伸ばして動きやすくしてあげること。
前側に引っ張られて疲弊している背中の筋肉をこれ以上頑張らせるのではなく、
頑張りすぎている胸やお腹の筋肉を弛めてあげることで、背中にかかる負荷を減らすのです。
ではここで一つ、簡単に胸やお腹の筋肉を弛められる運動を教えます。
ずばり!棒状に丸めたタオルケットの上に仰向けに寝転がってダラーっと力を抜くだけ。
え?寝るだけ?と拍子抜けしますよね。でもこれも立派な運動です。
30秒だけでも猫背リセットに効果がありますよ。
ストレッチポールがあるなら、なお良し。それを使って行いましょう。
普段の家事や仕事やスポーツでどんな姿勢になっているか、動かし方にどんな悪い癖があるかによって
修正すべきポイントが変わってくるので、まずは一度来院して体の状態をチェックしてみることをおすすめします。